労働組合は憲法で認められた団体です。私たち公務員の場合は、民間の労働組合に認められている権利(争議権など)が制限され、正式には職員団体と呼ばれます。
民間の労働組合は、賃金や休暇制度など勤務条件整備を主な目的としています。
教職員組合の場合は、賃金や休暇などの改善要求の他に、すべての子どもたちに行き届いた教育の保障、教職員の力量向上のための自主的教育研究活動(教研活動)、そして平和を守るためさまざまなとりくみを行っています。
What’s 岩手高教組?
岩手県内の公立高校・特別支援学校に勤務する教職員(教諭、養護教諭、実習教諭、寄宿舎指導員、栄養教諭、介助員、現業職員)が加入している労働組合です。5つの専門部(青年・女性・障害児学校・実習教諭・定通)があり、それぞれの課題解決に向けてとりくんでいます。
なぜ今、組合なの?
Point 1 教育はチームワークです
1人では「教育」はできません。学校はお互いが協力・協働する職場です。
Point 2 教育を現場から支え、充実させます
学校現場の立場で、問題を指摘し意見反映を行います。
Point 3 職場環境と生活の向上をめざします
賃金や職場環境の改善要求は1人ではできません。
高教組の活動
安心して職務を遂行できるような労働環境、教育環境、社会環境をつくっていくために、さまざまな活動にとりくんでいます。
高教組教育研究集会
教研集会は、教職員の教育実践力を高め、民主的な教育を実現するため、教職員が自主的に議論の場を作り教育研究していこうとするものです。教研活動は教育活動の原点であり、高教組運動の柱となっています。高教組結成直後から行われています。
平和を考えるつどい
高校生平和大使の報告や、戦中・戦後の教育関係資料、生活用品を展示して、県民に平和の尊さを訴えています。
定期交渉
「組合員の社会的、経済的地位の向上」のため、高教組執行委員が組合員の声をまとめ、県教委と交渉を行います。
組合があってできたこと、できること
東日本大震災からの復旧・復興
- 震災時の緊急支援(食料、飲料等の配給、安否確認、全国へ支援要請など)
- 被災した教職員への支援(災害見舞金、義援金、自動車水没見舞金の給付など)
- 被災した子どもたちへの支援(1人10万円の特別奨学金、教育基金奨学金の支給など)
- 学校支援(認定NPO法人KnKと連携し制服・バス・部活動に必要な用具等の支援)
高教組は、これらの支援に総額6,500万円を拠出し被災した教職員、被災した子どもたちを支えました。
賃金の維持・向上、休暇制度の創設や拡充
- 初任給・月例給・一時金の改善
- 通勤手当の引き上げ、距離区分改善
- 産休、育休制度(日教組の要求で実現)
- 夏季休暇を5日間に拡大
- 看護休暇の拡大(子どもの対象年齢引き上げ、子ども以外の家族も対象に)
- 臨時採用教職員の給与の上限撤廃(2020年度から)
- 臨時採用教職員の公立学校共済組合への加入実現(2020年度から)
- 出生サポート休暇新設(2022年1月から)
不当な処分があった場合の支援
何か困ったときには、高教組の顧問弁護士へ無料で相談することができます。
事故等による懲戒免職などの処分を受けた組合員で不当な処分があった場合、人事委員会提訴や裁判提訴などの支援を行い、懲戒免職処分の撤回や退職金不支給の取り消しなどをさせることができました。
青年部って?
高教組の組合員の内、4月1日時点で34歳までの教職員で組織されています。青年教職員の仲間が集い、授業実践や部活動、学校業務などで抱える悩みや情報などを交換しあいながら「仲間づくり」を中心とした活動をしています。
臨時・非常勤教職員の皆さんにも同じ職場で働く仲間として、活動に参加してもらっています。
臨時・非常勤教職員の本採用化と処遇改善署名
臨時採用教職員の本採用化と、賃金・労働条件などの処遇改善、採用試験の改善などを求め、県教委に組合員の署名を提出して交渉しています。その結果、試験問題の公開や持ち帰りの解禁、得点の公開などに結びついています。また、臨時・非常勤教職員の仲間を応援するために、外部から講師を招き採用試験対策を行う「臨採者のつどい」も開催しています。採用試験の過去問も高教組が取りまとめ、「臨採」の仲間へ渡しています。
青年部教育研究集会
リポートを持ち寄り、日々の教育実践や教育問題等について、青年教職員の視点から話しあうつどいです。
青年教職員のつどい
県内の青年部員が一堂に会する集いです。互いの職場や教科などの情報交換をしたり、さまざまな内容の学習やレクなどで交流を深めながら、仲間を作り横のつながりを広げていく場として開催しています。